その他の工作
LastUpdate 2003/08/22
- 00-00 SFCの電池交換
- 00-01 電池交換について
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発売から何年も経ったSFCカートリッジに良くある症状で、本体にセットする度
データが消えセーブ出来なくなることがあります。これはSFCカートリッジの
バックアップ用電池を切れているために起こるもので、通常は電池を交換すれば
以前のようにバックアップ出来るようになります。そこで、ここではSFCの
バックアップ用電池を交換する方法を紹介しようと思います。
- 00-02 交換する前に
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データが消える原因のひとつに、端子の汚れによる接触不良があります。
電源を入れても画面が真っ暗で何も写らず、カートリッジを挿し直したり
少し浮かせたりすると直る、という場合がそうです。経験上、このときに
データが消えることが多いため、こういう症状が頻繁に起こるようなら、
早めに対策をとる必要があると思います。こうなってしまってはいくら
電池を交換してもデータ消失の危険性はそのままだからです。
端子の掃除は、消毒用エタノールや接点復活剤を綿棒などに含ませ
カートリッジ側の端子をきれいに拭いて、本体に挿して→取り出す、
という行程を何度か繰り返すことになります。繰り返すうちにカートリッジ側の
端子に汚れがつかなくなるので、そうしたら掃除は完了です。
注意:当然のことながら本体の掃除に使うカートリッジは
データ消失の危険にさらされますので、データが消えても良いカートリッジを
使用してください。
本体側がきれいになってもカートリッジ側が汚れていては意味がありませんので、
ついでに他のカートリッジの端子もきれいにしておくとよいでしょう。
- 01-01 SFCのカートリッジ
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← 左が交換後のネジ、右は交換前のネジ。
ROMカートリッジは2本の特殊ネジで閉じられているため、開けるためには
特殊ドライバ(1500円前後)が必要になります。ですが、実際にはピンセットと
ラジオペンチを使えば特殊ドライバ無しで開けることができます。(後述)
また、使われているネジ自体は一般的な M2*6 なので一般的な
プラスネジ(タッピングビス)に交換することができます。
- 01-02 内蔵電池
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カートリッジに搭載されている電池は「CR2032」というごく一般的なコイン型(ボタン型)電池で
入手性は非常に高いのですが、実際に基板に取り付けられているのは半田付け用の端子があ
らかじめスポット溶接された、いわゆる「タブ付き」タイプであり、残念ながら
こちらの入手性はあまり高くありません。
タブ付き電池が手に入らない場合の交換方法としては、コイン型電池用ホルダーを
基板に取り付けて普通の CR2032 をセットする、という方法がよく知られています。
ここで紹介するのも電池ホルダを使った方法になります。コイン型電池用ホルダーは
秋葉原の電子部品店を探すと何種類か見つかりますが、秋月電子電商で3個100円で
売っている物が最適です。
*各種CR2032用電池ホルダ
*CR2032 コイン型リチウム電池 千石電商で1個80円 (写真のもの)
*タブ付き電池は、ラジオセンター2Fで手に入ることがあるようです(未確認)
- 02-01 カートリッジの開け方〜交換
- 02-02 開け方
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特殊ドライバを使わずに開ける方法とは、一言でいうと
「向き合ったネジの溝を押さえたピンセットをラジオペンチで回す」
というとても単純な方法です。回り始めのところがちょっと硬いだけで、
回り始めたらあとは楽に回ります。
ピンセットの先の方を持ち、下へ抑えつけるようにネジを押さえながらラジオペンチを回すと
良いです。ピンセットの先が滑る場合はピンセットの先を削ったり
曲げたりして「合い」を良くすると改善されると思います。
開けるのに必要なものは…
・ラジオペンチ
・AA型ピンセット↓
写真のように先がとがってるタイプのピンセット
先をほんの少し内側に曲げた方が作業しやすいです
最初に開けた時は元々持っていたピンセットを使って開けたのですが、
改めて検証するために買ってきた100円Shopのピンセットは先が若干太かったので、
手元にあった金属のヤスリで先端を少し削りました。先を削るために使えそうな
金属ヤスリも100円Shopで売ってたので、これを一緒に買ってくれば良いでしょう。
閉じる際には開けた時と同じようにネジを締めれば良いのですが、面倒なので私は
同じピッチのプラスネジと交換しました。ネジは M2x6 のタッピングビス。
(参考 西川電子部品 10本20円、100本150円)
注)西川電子部品さんの店頭には並んでいないので、欲しい人はお店の人に
「2x6mmのタッピングビスをください」と言うと出してくれます。
- 02-03 バックアップの内容を保持したまま交換するために
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通常、電池をはずすとバックアップのデータは飛んでしまいますが、
あらかじめ予備の電池を並列に繋いでおくことで、データを保持したままの電池交換を可能にします。
つまり、この作業は基板のタブ付き電池を取り外す前に行うものです。
・CR2032用電池ホルダー 1個、線材
・予備電池(CR2032) 1個
← 予備ホルダ
CR2032用電池ホルダーを交換用とは別にもう一つ用意し、それを
予備ホルダとします。予備ホルダの+−両端子にリード線を1本ずつ
半田付けしておきます。
予備ホルダが準備できたら、カートリッジを開け基板を取り出してください。
タブ付き電池の真裏かその周辺にテストパターンがあるので、予備ホルダの端子に
取り付けたリード線を電池が並列になるように接続します。
テストパターンが見あたらなければバックアップ電池の端子裏でも構いません。
予備ホルダに電池をセットすればバックアップ用電池が並列に接続され、
バックアップの内容を保持したまま電池交換できるようになります。
- 02-04 交換作業
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「電池ホルダ+普通のCR2032」を使った方法です。
・CR2032用電池ホルダー 1個、線材
・交換用電池(CR2032) 1個、または2個
・ポリエチレンフォームが入った両面テープ 1cm角程度
← ニトムズ 強力固定用両面テープ(白)15x2
両面テープは基板に電池ホルダを固定するためのもので、ここでは基板から
少し浮かせるためにポリエチレンフォームが挟まった両面テープを使っています。
これは特別なものではなく日曜大工店などで普通に手に入るものです。
今回は秋葉原の西川電子部品にて260円で購入。
新しい電池をセットする電池ホルダの+−端子にリード線を接続します。
*リード線はカートリッジに収まる程度になるべく短くします。
データを保持したい場合は、ここで予備ホルダの配線作業を行います。
*予備ホルダを使う場合には予備ホルダ用と交換用に電池が2個が必要になることに注意してください。
カートリッジに装着されているタブ付き電池を取り外します。
*半田ゴテの熱で基板にダメージを与えないよう、手早く行ってください。
← 足を片方切り取ったタブ付き電池
カートリッジに半田付けされたタブ付き電池は、物によってはうまく
はずれない時があります。そのときは端子をニッパーで切断してしまうと
良いでしょう。また、タブ付き電池をはずすには半田吸い取り器などの工具が
必要になってきますので、工具がないとか簡単に作業を終えたい場合も同様に
切断してしまうとよいでしょう。
電池ホルダを基板に貼り付けます。
← 予備ホルダをはずした後の裏側
タブ付き電池がはずれたら、用意しておいた電池ホルダの裏面に両面テープを
貼り付け、タブ付き電池があった場所に張り付けます。このとき、周りの
部品に電池ホルダの端子が接触しないように注意してください。また、取り付け位置を
間違うとカートリッジが閉じられなくなってしまいますので、位置決めは
慎重に行ってください。
リード線を基板に配線します。
← 予備ホルダをはずした後のオモテ側
電池ホルダを取り付けたらリード線を基板裏側にまわし、タブ付き電池の
端子跡地に半田付けします。リード線と電池ホルダの+−が間違っていないか
もう一度確認してから、取り付けた電池ホルダに新しいCR2032をセットします。
もし付けていればここで予備ホルダの電池をはずし、予備ホルダを取り外します。
作業は以上です。カートリッジを閉じて動作確認を行ってください。
- 03-01 電池ホルダー
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私が(2002年12月)秋葉原で手に入れることができた電池ホルダー3種類を紹介します。
売っていたお店と値段は左から、
ヒロセテクニカル(190円)、若松通商(100円)、秋月電子電商(100円)です。
参考
http://www.dengeki.ne.jp/game/wwwboard/log/200201/messages/137154.html
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更新履歴
2003/08/22 加筆修正
2003/02/04 画像追加
2003/02/01 公開
以下、余白
End.